テストチャートおよびテストストリップ
本章では、Prinect Color Toolbox がサポートするテストチャートの外観や使い方、機能の長所と短所、その他の特徴について説明します。
印刷工程のプロパティは、有彩色の特性とそのリニアリティの測定により規定できます。これを行うには、カラースケールと一緒にテストチャートを印刷します。カラースケールでは、4つのプロセスカラーである、Cyan、Magenta、Yellow、Black の組み合わせが、それぞれ0%~100%までシステマティックにグラデーションします。出力後このカラースケールを測色計で測定し、分析しなければなりません。
テストチャートはターゲットと呼ばれることもあり、カラープリンタや、印刷機、プルーファなどのカラー出力装置の特性記述に使用する基準となります。
テストチャートのタイプは印刷工程により異なります:
• CMYK テストチャートは、Cyan、Magenta、Yellow、Black による典型的な4色印刷(オフセット印刷や新聞印刷など)で、印刷工程のプロファイリングに使用します。
このテストチャートは、4つの基本カラーCyan、Magenta、Yellow、Blackの様々なグラデーションで構成されます。
•RGB テストチャート は、RGBデータのみをサポートする出力装置(スライドイメージセッターやデスクトッププリンタなど)による印刷工程に使用します。
テストチャートは、Red、Green、Blue の組み合わせで構成されます。
•CMY テストチャートは、Cyan、Magenta、Yellow の3色みを印刷して十分な彩度を達成する出力装置(昇華プリンタなど)で使用されます。
このテストチャートは、3つの1次カラー Cyan、Magenta、Yellow のグラデーションのみで構成され、Black は含まれません。
•スポットカラーのテストチャート(ヘキサクロームなど)は、4つの基本カラー以外(スポットカラー、Hifi カラー)を使用する印刷工程で使用します。
これらのケースのために、パッチの数やレイアウトの異なるテストチャートが開発されました。プロファイル作成用ソフトウェアのほとんどのメーカーが、適合するプログラムでのみ評価できる独自のテストチャートを使用しています。また、ISO 12642 / ANSI IT8.7/3 (ANSI = American National Standards Institute)やISO 12642-2 / ECI 2002などの、国際規格に準拠したテストチャートも開発されています。
同系色をブロック状に配置したテストチャート (ビジュアルレイアウト) の欠点は、インキの分布にムラが発生しやすいことです。
印刷のプロでも個人的な修正はできないため、こうしたテストチャートに関しては「スクランブル」バージョン(再調整されたランダムなレイアウト)が用意されています。ランダムバージョンでは、印刷時にインキがインキゾーンに均一に付着するようにバッチが並べ替えられています。ただし、これらのテストチャートでは隣接するカラーが隣接して配置されていないため、テストチャートがやや見にくくなります。
従来の印刷工程の特性記述には、ランダムバージョンをおすすめします。
印刷工程に合わせて調整されたテストチャートはプルーフ印刷され、分光光度計で測定されます。
テストチャートには、携帯用の装置で簡単に測定できる少数のパッチで構成されるものから、800以上のパッチで構成される大きなテストチャートまであります。大きなテストチャートには自動測定を推奨します。
プロファイル作成に使用するテストチャートは、基本的に以下の項目に基づきます:
•プロファイル作成ソフトウェア
•印刷工程
•使用する分光光度計
•期待するプロファイルの品質
•所要時間
同梱のテストチャートは、[プログラム > Heidelberg Prinect Color Toolbox > Color Toolbox Data]の「charts」フォルダで、PDFファイルとして開くことができます。