グレーバランスキャリブレーション

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このダイアログでは、プロセスキャリブレーション用にグレーバランスデータを計算します(修正データを計算を参照)。

グレーバランスとは

グレーバランスは、Cyan、Magenta、Gelb に対する網点面積率のセットとして定義されます。これに対して、定義した印刷条件に従って作成されたプリントが、定義した考察条件において無彩色カラーを与えます。印刷条件は、たとえば、関連するプロセス標準(bvdm, Bundesverband Druck und Medien(ドイツ印刷メディア産業連盟)のProzess Standard Offsetdruck)に、ISO(ISO12647-2:2004/Amd1 2007)に準拠して規定されています。

グレーバランス最適化はISO標準およびオフセット印刷プロセス標準に矛盾するものではなく、有意義な補足です。正確に知覚されるグレースケールの再現は、印刷品質を表す基本的な指標です。色的に中立と知覚される印刷材料からのグレースケールの偏差は、品質を低下させるものです。

グレーバランスを視覚的かつ測色的にチェックするために、特殊なテストストリップ(ECI_GrayConS_FOGRA39など)があります。

実際の印刷工程におけるグレーバランス

プリプレスでは通常、定義した印刷条件の標準プロファイルによって処理を行います。この標準プロファイルは、定義した用紙上での定義した彩色とドットゲインに対して適用されます。

その一例がプロファイル「ISOcoated_v2_eci」です。これは、用紙タイプ1および2(塗工紙)の特徴データ「FOGRA39L」に基づきます。このプロファイルは、プロセスカラー Cyan、Magenta、Yellow の重ね刷りが原因で生じた特別な有彩グレー軸を有します。

ただし通常の印刷作業において、グレー再現での偏差は常に発生します (ペーパーホワイト、プロセスカラー、インキ吸収、スクリーニング)。印刷工程のグレーバランスは静的な大きさではなく、様々なパラメータに左右されるため、ケースバイケースで調整する必要があります。

ペーパーホワイトが異なり(光学的ホワイトなどが原因で)、インキが異なる用紙では、色調を正しく設定し、ドットゲインを正確にキャリブレートしていても、グレー再現で違いが現れます。

定義したドットゲインを定義したグレーバランスで置換する処理方法は、従来のプロセスキャリブレーションのやり方では正確に把握されないため、新しい手法を必要とします。