黒
"ブラック"に関するパラメータは、ブラックカラーの特殊な処理方法に使用されます。
幅縮尺(%)
[幅縮尺(%)]では、Black用のトラップ幅を設定できます。これにより、ブラックがリッチまたはファットである場合などに、その下にあるカラーが色ズレとして端からはみ出すことを防ぎます。
設定値の作用:
•小さい値 -> 狭いトラップ
•大きい値 -> 広いトラップ
デフォルトは100%です。
この値を指定すると、通常のトラップ幅がBlackに使用されます。
値の範囲は0%~10,000%です。
例:
Blackに対して1.5倍のトラップ幅を得るには、値150%を設定します。
網点%
[網点%]で定義したしきい値を超えると、Trapperが濃いカラーをベタブラックとして扱い、Blackの特殊な規則を適用します。
K 版が入力値と同じ値の場合、その色は Black として扱われます。これは常に境界を決める色となり、トラッピングの際は、その色
の下に隣の色が印刷されます、例えばリッチ Black の下にホワイトがきます。
設定値の作用:
•100%:K100%の色のみ、Blackとして扱われます。
•95%:Kパーセントが95%以上の場合、その色はBlackとして扱われます。
•1%:すべての色が Black として扱われます。
デフォルトは95%です。
値の範囲は1%~100%です。
ヒント:妥当な値は、およそ 80%くらいからです。この % を超えると Black で異なる濃度レベルを表示するのが難しくなることがあるからです。
濃度制限
[濃度制限]で定義したニュートラル濃度のしきい値を超えると、Trapper はスポットカラーを Black と同程度の濃度であると見なします。これは常に境界を決める色であり、トラッピングの際は、その色
の下に隣の色が印刷されます。
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注記:Black の特殊な規則は、[網点%]で設定した値に達した場合のみ、濃いスポットカラーに適用されます。 |
[Black濃度制限]をスポットカラーのニュートラル濃度以下に設定することで、濃いスポットカラーがBlackとして扱われるように指定できます。
設定値の作用:
•値が小さいほど、濃いカラーがBlackとして扱われる可能性が高くなります。
デフォルトは1.6(SWOPブラックのニュートラル濃度は1.7です)。
値の範囲は0~10.0です。
カラーエディタでスポットカラーのニュートラル濃度が入力されていない場合、Trapperは、ニュートラル濃度をCMYK代替カラーから特定します。
カラーエディタでこのスポットカラーが入力されていない場合は、CMYK代替カラーがPDFファイルから適用されます。
PDF Toolbox は、特定したニュートラル濃度を、PDFレポートの[ナビゲータ]タブの[カラー設定]に表示します。
文字サイズ制限(pt)
ここで指定されたフォントサイズ以下のBlackテキストはすべて、[オーバープリント]に設定されトラッピングされません。
デフォルト値は12ポイントです。
値の範囲は0~999です。
設定値の作用:
•最小値0:どのBlack文字も、トラッピングの代わりにオーバープリントには設定されません。
•最大値999:Black 文字は最大 999 ポイントまで、トラッピングの代わりにオーバープリントに設定されます。
本文テキストのサイズを設定して、本文テキストが"オーバープリント"に変換され、ヘッディングやヘッドラインが通常通りトラッピングされるようにすることを推奨します。
線幅 (mm) 以下の線
フレーム幅の制限値以下の、すべてのブラックの線オブジェクト(タイプ=ストローク)が、「オーバープリント」に設定されます。
グラフィック
すべての Black グラフィックオブジェクト (タイプ=グラフィック) が[オーバープリント]に設定されます。
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注記:Blackオブジェクトが、他の不透明なオブジェクトまたはBlackオブジェクトの上にあり、その色の印刷順序がBlackより後の場合、Blackオブジェクトは[オーバープリント]に設定されません。それ以外の場合、Blackオブジェクトはプリント内で完全にカバーされます。 |
不透明
このプロパティは、非常に不透明な、輪郭を定義するスポットカラーに割り当てられます。これらのスポットカラーはブラックとして扱われ、トラッピングでは常に隣接するカラーをその下にのばします。
不透明カラー制限(%)
[タイプ]が「不透明」または「不透明 & 無視」に設定されているカラーでは、トラッピング時にオブジェクトに不透明特別扱いが適用されるように、該当するカラー分版の値をこの数値(xx%)以上にする必要があります。
つまり、どの総インキ量以上でカラーを不透明とみなすか決めることができます。これによって、その色は他のトラッピング扱いを受けます。カラーが「不透明」として定義されていることが前提となります。
(小さい)文字
この名前の下には、小さいフォントに関するTrapperーの特殊な動作を制御するパラメータが組み込まれています。この機能は、トラッピングによって生じることがある小さいフォントの可視性についての問題を減らすために役立ちます。
サイズ制限(pt)
ここで指定されたサイズ以下の色付きフォントは特殊処理が行なわれます。この場合、必要に応じてトラップ幅を減少させることができます ([幅縮尺(%)]パラメータで定義)。
この処理ではテキストの色が変更されるため、[オーバープリント]は使用できません。
デフォルト値は6ポイントです。
設定値の作用:
•最小値0:どの小さな文字でも、トラップ幅は細くなりません。
•最大値100:100 ポイントまでの文字のトラップ幅が細くなります。
幅縮尺(%)
カラーテキストのフォントサイズが[サイズ制限(pt)]で指定された値より小さい場合、そのテキストのトラップ幅は、ここで設定したとおりに縮小されます。
デフォルト値は75%で、小さいフォントのトラップ幅が、元のトラップ幅の75%まで縮小されることを意味します。
設定値の作用:
•100を超える値: 小さなカラー文字のトラップ幅が広くなります。
•数値 = 100: 小さいカラー文字のトラップ幅は、設定値と同じになります。
•100より小さい値: 小さなカラー文字のトラップ幅が細くなります。
特殊な例:
0% と入力した場合、小さいサイズのテキストに対してトラップ
は作成されません。
例:
入力値 = 75%
トラップ幅 0.1 mm の場合、小さいカラー文字のトラップ幅は 0.075 mm (0.1 mm の 75% ) となります。
(細い)線
[線]には、既存の線に関するTrapperの特殊な動作を制御するパラメータが組み込まれています。この機能は、トラッピングによって生じることがある小さいフォントの可視性についての問題を減らすために役立ちます。
サイズ制限(mm)
ここで指定された幅以下の色付き線は特殊処理が行なわれます。この場合、必要に応じてトラップ幅を減少させることができます ([幅縮尺(%)]パラメータで定義)。
この処理では線の色が変更されたため、「オーバープリ
ント」は使用できません。
デフォルトでは0.0 mmに設定されています。つまり、すべての線幅に対して処理が行なわれるということです。
幅縮尺(%)
細い線の幅が[サイズ制限(mm)]で指定された値より小さい場合、その細い線のトラップ幅は、このボックスで設定されたパーセンテージに従って縮小されます。
デフォルトでは100%になっています。つまり、縮尺は行なわれません。例えば 75% と指定すると、細い線のトラップ幅が、元のトラップ幅の 75%に縮小されます。
特殊な例:
0% と入力した場合、[サイズ制限(mm)]で指定された値より細い線に対してトラップは作成されません。